朝、目覚めが悪く
スッキリしないと
その日半日くらいが
台無しになってしまうことがあります。
そして、なんだか
「ああ・・・無駄にしてしまった・・・」
と、罪悪感まで感じたりしてしまいます。
朝の目覚めは非常に重要ですね。
特に最近は
朝の習慣やモーニングルーティーン、
早起きについて多くの情報や本が出され
その重要性に注目が集まっています。
そんな朝のスッキリ感が
1日の仕事のパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、
を科学的根拠をもとに解説します。
これで、朝のスッキリ感の仕事への影響力を知り、
そして、そのスッキリ感を高めるための睡眠の工夫を
ご紹介します。
これを実践してみると
朝スッキリ目覚めることができ
そして、
効率よく仕事のパフォーマスを上げていくことができます。
朝を制する者は仕事のパフォーマンスを制す
をご理解いただければと思います!
もくじ
本当に朝のスッキリ感が仕事に影響するのか
今回、根拠となる論文は、
「仕事における日常的なパフォーマンス:
日中の仕事パフォーマンスの予測因子としての朝の回復感」
と題され、ドイツのコンスタンツ大学の研究者たちによって
2009年に発表されました。
Daily performance at work: feeling recovered in the morning as a predictor of day-level job performance
この論文は、2023年現在までに
524回も引用されており、
大変高い信頼性があります。
調査方法としては、
106人のドイツ人公務員が対象となり、
彼らは1週間にわたって
ポケットコンピュータを持ち、
朝仕事に行く前と夜帰宅後に、特定の質問に答えました。
これらの質問は、朝のスッキリ感を測定する指標として
以下のような項目が含まれています:
1 今朝(目覚め)の休息感
2 今朝(目覚め)の肉体的なスッキリ感
3 今朝(目覚め)の心・頭のスッキリ感
4 今朝(目覚め)のエネルギーが満ちている感
を「全く当てはまらない」~「とても当てはまる」
の5段階で評価しました。
また、1日のパフォーマンスは
「今日のパフォーマンスは普通の日に比べてどの程度か?」
でスッキリ感と同様の五段階で評価されました。
そして、その際
1 職種によって影響は違うのか
を調べるために
A:ジョブコントロールが高いグループ
B:ジョブコントロールが低いグループ
に分けて調査しました。
A:ジョブコントロールが高い職種とは、
目標を設定したり、判断したり、仕事全体に与える影響が大きい職種です。
この調査の場合は公務員ですので、管理職のような職種であると考えられます。
一般的には、ジョブコントロールが高い職種としては
起業家、フリーランス、研究者、専門家、エンジニアなどです。
一方、B:ジョブコントロールが低い職種とは
これは比較的単純な労働でそれほど、判断力を求められない仕事です。
公務員の場合、事務仕事がメインである人だと考えられます。
一般的な職種の例としては
工場勤務、販売員、コールセンターのオペレーター、
ファーストフード店の従業員、カスタマーサポート担当者などです。
結果:職種による影響の違い
ジョブコントロールが高い職種の人々では、
朝のスッキリ感と1日のパフォーマンスに
相関関係が見られました。
そのような職種では朝にスッキリ感を感じると、
効果的に仕事のタスクをこなしやすく、
やる気に満ちて
効率よく仕事が進められる、
という結果でした。
逆にスッキリ感がないと
非常に仕事への悪影響が大きくなり
なかなか良い判断ができなかったり
効率よく仕事を進められなかったりする
ということがわかりました。
一方、ジョブコントロールが低い職種では、
スッキリ感とパフォーマンスの関連性はあまり見られませんでした。
つまり、スッキリ感がなかったとしても
仕事のパフォーマンスにも関連はなかった、ということです。
ただし、長期的な朝の不調が続くと、
ジョブコントロールが低いグループも
パフォーマンスに悪影響を
及ぼす可能性があることも指摘されています。
仕事の内容によってのパフォーマンスの違いはあるのか
また、この調査では「仕事のタスクパフォーマンス」以外にも
仕事の内容の違いによって、スッキリ感と関係を調べました。
会社での活動には直接仕事とは関係ないが
会社組織に貢献できる活動があります。
それを心理学ではOCBと呼ばれています。
これは「組織市民行動(Organizational Citizenship Behavior)
の略で企業や団体の従業員が自分の職務の範囲外の仕事をする
「役割外行動」の一種です。
この概念を提唱した米・インディアナ大学の
デニス・オーガン教授らによると、
組織市民行動は「従業員の行動のうち、
彼らにとって正式な職務の必要条件ではない行動で、
それによって組織の効果的機能を促進する行動。
しかもその行動は強制的に任されたものではなく、
正式な給与体系によって保証されるものでもない」
と定義されています。
それは例えば
・同僚が休んでいたら、気を利かせて代わりにメールを返しておくこと
・オフィスが乱雑になっていたら、片付けること
・新しいスタッフに早く馴染んでもらえるよう、雑談で声をかけること
・昼休みに同僚の愚痴を聞いてあげる
などです。
これは私の解釈ですが、
いわゆる「気配り」とか「気遣い」ですね。
このようなことも職場の人間関係構築のためにはとても重要です。
この調査では、このような活動も朝のスッキリ感が影響し、
やはりジョブコントロールが高いグループは
朝スッキリとしている場合には
そのような「気配り」「気遣い」が増えたそうです。
これは、想像できるかと思います。
このような気配りとは「心の余裕」です。
この心の余裕も朝のスッキリ感が影響していることがわかりました。
ただし、ジョブコントロールが低い方は
スッキリ感と活動とは関係が見られませんでした。
以上のように
朝のスッキリ感は、職種によっては仕事全般に影響を与える
科学的な根拠が存在することが明らかになりました。
この知識を活用して、朝の時間をより有効に使い、
1日の仕事のパフォーマンスを向上させる方法を
見つけることができるかもしれません。
以上の研究調査から、
「朝を制する者は仕事のパフォーマンスを制す」
ということがご理解いただけましたでしょうか。
では、以降でそのスッキリ感を感じる睡眠について、ご紹介していきます。
朝のスッキリ感を生むためにすべきこと
朝のスッキリとした目覚めは、前の晩から始まっています。
そのスッキリ感を生み出す、睡眠で
「注意すべきこと」「おすすめすること」を紹介します。
良い睡眠のために注意すること
食べすぎない、飲みすぎない:
寝る前に大量の食事を摂ると、
胃の消化が追いつかず、
胃もたれや不快感を引き起こす可能性があります。
また、アルコールやカフェインを摂取しすぎると、
質の高い睡眠が妨げられます。
利尿作用があるので
夜中トイレに起きて
その後寝られなくなるなどが
起こりがちです。
このような過度な食事やアルコール摂取は、
夜間の寝つきや寝質に悪影響を
及ぼすことが示されています。
ブルーライトを見ない
電子デバイスから発せられるブルーライトは、
メラトニンの分泌を妨げ、寝つきを遅らせることがあります。
ブルーライトは目を覚ます効果があり、
寝る前にスマートフォンやテレビを使うと、
寝つきが悪くなる可能性が高まります。
ブルーライトを避けることは、
質の高い睡眠を促進します。
良い睡眠のためにおすすめすること
1−2時間前にお風呂に入る:
お風呂に入ることは、体温を上昇させ、
その後急激に下げることで、
睡眠に入りやすくなる助けになります。
この体温変化は、
体内時計と睡眠の質を調整するのに役立ちます。
一般的に、お風呂に入ることはリラックス効果もあり、
寝つきを改善することが示されています。
なるべく定時に寝て、起きる:
睡眠のリズムを整えることは、
朝のスッキリ感を高める重要な要素です。
不規則な寝起きパターンは、体内時計を混乱させ、
寝つきや目覚めの質を損なうことがあります。
一定の寝起きスケジュールを守ることは、
深い睡眠やスッキリとした目覚めが
できるようになります。
ちなみに睡眠時間については色々な考え方がありますが
- 年齢
- 日中の活動内容
- 悩みやストレスの度合い
よって違ってくる、という考えに私は賛同します。
「平均何時間」とかいうより
「自分の体に聞く」方が健康的あると
考えます。
だからこそ
「朝のスッキリ感」を感じることが大切であると思います。
朝のスッキリ感に加えて
昼間すぐに眠くならない、
昼間活動的に過ごせているなどを目安に
ぜひ、ご自身の「最適な睡眠時間」を探ってみてください。
運動をする:
適度な運動は、質の高い睡眠を促進するための重要な要素です。
日中に運動を行うことで、
体はより良い睡眠に備えるための条件を
整えるのに役立ちます。
実際、例えば、日中運動をすると夜の睡眠が継続性
(途中起きたりせずぐっすり眠れること)が
改善されることがわかっています。
また、運動によって正常な睡眠サイクル
(ノンレム・レム睡眠が交互に発生する)
が維持され、質の良い睡眠になることがわかっています。
瞑想をする
アメリカ睡眠医学会が発表した研究から、
瞑想には不眠症を治す効果があることが明らかになりました。
その研究では病気を抱える人に
2ヵ月にわたって瞑想してもらう実験を行い、
寝つくまでの長さ
トータルの睡眠時間
トータルの目が覚めている時間、
眠りについた後で目が覚める回数
睡眠効率
睡眠の質
気分の落ち込みが
改善したことが実証されました。
また、睡眠には、覚醒と睡眠を切り替えて、
自然な眠りを誘う作用のある
メラトニンというホルモンの分泌が重要です。
サイエンス雑誌『メディカル・サイエンス・モニター』よると
瞑想に慣れている人のほうが、
瞑想しない人に比べて
そのメラトニンの基準値が高かったそうです。
つまり、これは要するによりメラトニンが
分泌されていると言えます。
また、なかなか眠れない原因として
ストレスも考えられます。
不安や落ち込みが大きいと
そのことを考え続けて
眠れない、ということが起こってしますからです。
そのような時にも
瞑想は役立ちます。
なぜなら、ストレスホルモン
コルチゾールを減らすことが
わかっているからです。
また、そのような
不安や落ち込みという感情は
自分の意思とは反して
何度も何度も繰り返し
わいてくるものです。
これを反すう思考といいます。
瞑想はこの反すう思考を減らす、と
いうことも研究でわかっています。
ですから、ストレスを軽減するために
瞑想はおすすめです。
↓ 朝瞑想をするのがおすすめな理由についてのブログ記事はこちら
瞑想するのに効果的な時間帯は「朝」がおすすめな5つの理由【体験談】
その結果ストレスにより睡眠を阻害されることが
減るかもしれません。
以上のように、瞑想をすると良い睡眠となる
心身になれるといえるでしょう。
最後に、瞑想をすぐに実践できるように
やり方をご紹介しておきます。
簡単な瞑想のやり方
ステップ1 座る
コツ1 もし、床に座るのだったら座布団などを
2つ折りにして、お尻の下に敷くといい
コツ2 手のひらは上向き
コツ3 体を左右に揺すって、お尻の下のコリコリした骨、
坐骨(ザコツ)を床に突き刺すイメージ
↓
ステップ2 まぶたを閉じる
コツ ぎゅっと閉じずに、目を閉じたまま
下向き45度くらいを見ているイメージ
↓
ステップ3 深呼吸をする
コツ1 ゆったりと深呼吸を10回くらい繰り返す
コツ2 鼻から吸って、鼻から吐く腹式呼吸
コツ3 深呼吸のリズムは 吸って3 吐いて6 くらいのカウントで
ステップ4 10分間そのままの状態で座り続ける
コツ 自然な呼吸で行う
まずは、これだけです!
カンタンですよね。
最後に横になるのは、なくても構いません。
そのまま寝てしまうこともあるので、注意です!
もっと、詳しく瞑想について知りたい場合にはこちらからブログ記事、または電子書籍をご覧ください。
↓
ブログ記事 瞑想のやり方とその注意点
https://www.chiyu-uehara.com/2020/11/17/meisouyarikata/
朝のスッキリ感で仕事のパフォーマンスが決まる:科学的根拠あり まとめ
・朝のスッキリ感は1日のパフォーマンスに関係ある
・特にジョブコントロールが高い職種は、朝のスッキリ感が影響を受けやすい
・仕事のタスクだけでなく、仕事以外の会社組織への貢献、気遣いなども朝のスッキリ感の影響を受ける
・良い睡眠を得るためには
「食べ過ぎ、飲み過ぎ」に注意
「スマートフォンやパソコンなどのブルーライト」を寝る前に見ない
寝る1−2時間前にお風呂に入り体を温めておく
定時に寝て、起きる
日中運動をする
瞑想をする
以上いかがでしたでしょうか。
朝のスッキリ感は、本当に生活の質を決めるほど重要ですね。
また、そのスッキリ感を得るためにすべきことも、
誰でもすぐできることを挙げてみたので、
ぜひ早速今日からやってみてはいかがでしょうか。
きっと、仕事においてもプライベートにおいても
爽快な気持ちで過ごせるはずです!