「ネガティブな感情が止まらないこと」は誰にでもあると思います。
自分の意思とは関係なく、次々と浮かんでくる感情···
「止めなくては」と考えるほどよけいに止まらなくなってしまいます。
どのようにしたら、このような「ネガティブ感情が止まらない」を終わりにすることができるのでしょうか。
今回は「なぜ、ネガティブな感情が止まらない」のかその理由を明らかにし、「止めよう」と考えずに終わらせる方法をご紹介します。
ポイントは「ネガティブな感情が止まらない」状態に自分を持って行かないようにすること。
いわば「ネガティブな感情が止まらない」ことへの予防策といえます。
ぜひ、最後までお読みいただき「ネガティブな感情が止まらない」とは、サヨナラしましょう。
もくじ
ネガティブ感情とは何か?
そもそもネガティブ感情とは何でしょうか。
まずは、あなたが具体的にどのようなネガティブ感情に悩まされているのかを明らかにしましょう。
ネガティブ感情とは、人が感じる嫌な気持ちや不安な思考のことです。
これには不安、怒り、悲しみ、疑念、恥ずかしさなどがあります。
ネガティブ感情の例として、
試験前に
「ああ、明日のテストちゃんとできるかな···」と
緊張することや、
家族と喧嘩をして
「イライラする、顔も見たくない!」
と腹を立てたり
職場の同僚とうまくいかず
「会社に行くだけで憂鬱···」
と落ち込んだりする感情です。
これらの感情は、日常生活でよく経験します。
ネガティブ感情の種類と特徴
ネガティブ感情は、さまざまな種類があり、それぞれ特徴や共通点があります。
主なネガティブ感情には、不安、怒り、悲しみなどがあります。
1. 不安
不安は、将来に対する不安や心配、不確実性から生まれます。
不安を感じると、身体的には緊張感や落ち着かなさが現れ、心の中では未来の出来事に対する否定的な予測が頭をよぎることがあります。
例
この前、失敗したから、また失敗するんじゃないだろうか
これから先、この仕事をやっていけるのかな
苦手な〇〇さんにまた、仕事で怒られるんじゃないかな
2. 怒り
怒りは、不満や不平、他人の行動に対する不快感から生じる感情です。
怒りを感じると、体力やエネルギーが高まり、物事に対する反抗的な姿勢が現れます。
怒りは時に冷静な判断を妨げることがあります。
例
妻(夫)に何度も言っているのにわかってくれない
職場の〇〇さん、あんな言い方をしなくてもいいでしょ!
この順番いつまで待たされるんだろう・・・イライラ
3. 悲しみ
悲しみは、喪失や失敗、別れなどの辛い出来事によって引き起こされます。
悲しみを感じると、心の中に重い感情や空虚感が広がり、涙が流れることがあります。
悲しみは時間が経つにつれて和らぐことが多いです。
例
母(父)が亡くなり喪失感が消えない
彼(彼女)と別れて涙が止まらない
あんなに頑張ったのに、試験に受からず悔しい
まずは、自分はどのような感情に囚われやすいかを認識してみましょう。
もちろん、いくつかの感情が混ざり合っている場合もあります。
また、ネガティブ感情とポジティブ感情は正反対です。
ネガティブ感情は不安や不快感をもたらし、私たちを不幸に感じさせます。
一方、ポジティブ感情は幸福や喜び、楽観的な考え方をもたらし、私たちの心身の健康に良い影響を与えます。
人は誰でも、このネガティブ感情とポジティブ感情を行ったり来たりするのが普通です。
いつもポジティブである、ということはありません。
ネガティブやポジティブ感情は揺れ動いている、ということを理解しましょう
各ネガティブ感情の共通点
これらのネガティブ感情は異なる特徴を持っていますが、共通点もあります。
どの感情も不快で、ストレスを引き起こす可能性があります。
また、感情は身体にも影響を与え、心臓の鼓動が速くなる、筋肉が緊張する、食欲がなくなるなどの身体的な変化をもたらすことがあります。
そして、ネガティブ感情は個人によって異なる表れ方をします。
ある人は怒りっぽくなり、またある人は悲しみに浸るかもしれません。
なぜなら、どのようなネガティブな感情がわいてくるかは、個人の性格や価値観、経験によるからです
そして、それらの沸いてくる感情を理解し、受け入れることは、感情をコントロールする手助けになります。
反芻(はんすう)思考とは
前述したようなネガティブな感情がわいてきて、止まらない状況を「反芻(はんすう)思考」と呼びます。
これは、あるネガティブな出来事や感情について、何度も繰り返し考え、深く悩むことをいいます。
反芻思考の特徴には以下のようなものがあります。
1.ループに陥ること:同じネガティブな考えや出来事を何度も繰り返し思い巡らせ、そのループから抜け出せないことがあります。
あの人嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
2. ネガティブな部分ばかりに注目する:反芻思考では、ネガティブな要素に過度に焦点を当て、ポジティブな側面や解決策を見落とすことがよくあります。
あの人嫌だ。あの言い方が嫌だ。いつも怒っているみたいな顔も嫌だ。荒っぽい態度も嫌だ。歩き方もイヤ。あの服もイヤ。全てがイヤ。同じ空気を吸うのもイヤ
3. 想像力の暴走:ネガティブな感情に基づいて、未来の出来事を過度に想像し、不安を増幅させることがあります。
今日、上司に怒られたってことは明日も怒られるかも。明後日も、ずっとこのままの状態が続くのかも···
4. 身体的な不調:反芻思考は体調にも影響を及ぼし、頭痛や不眠、消化不良などの身体的な不調を引き起こすことがあります。
上司のことを考えると憂鬱になって、眠れない···
このように、ネガティブな感情が止まらなくなってしまうことがしばしばあります。
そして、反芻思考は心の健康に悪影響を与え、ストレスや不安を増幅させることがあります。
人は何かストレスを感じることを考えただけで、ストレスホルモンのコルチゾールが分泌されると言われています。
ですから、できるだけネガティブな感情が止まらない状態というのはストレスホルモンが出続けている、と思った方がいいでしょう。
そうなると、なるべく考えるのを止めて、ストレスホルモンの分泌を止めたいものです。
では、その具体的な解決方法をご紹介していきましょう。
ネガティブ感情が止まらないを解決する方法
それは3つの領域があります。
1 感情を受け入れる
2 リラックス状態になるようにし、ストレス管理をする
3 栄養・運動・睡眠の健康状態を保つ
感情を受け入れる
感情を受け入れることは、精神的な健康や幸福感を高めるために重要なスキルです。
ですから、まずは「ネガティブ感情が出てきたな」とただ事実として受け止めることが大切です。
感情を受け入れた方が良い理由
感情は自然な反応:
感情は人間にとって自然な反応であり、否定すべきものではありません。
逆に「ああ、またネガティブな感情を持ってしまった···自分はダメだ···」と罪悪感を持つとネガティブ感情がますます増長します。
実際、喜びや愛情だけでなく、悲しみや怒りなどのネガティブな感情も人間らしいものです。
そんなふうにネガティブ感情を自然な反応なのだ、と受け止めましょう。
感情が何が重要かを教えてくれる:
感情によって、私たちは何が重要なのかがわかります。
例えば誰かにバカにされて怒りを感じるのは「自分のプライドが傷つけられたから」であることがわかります。
また、身近な人が亡くなった悲しみは「その人の価値」を教えてくれます。
これらのように湧いてきた感情を認め、受け入れることで、そのことの価値、重要性を理解し、対処する手助けになります。
感情を抑えると悪影響を及ぼす:
怒るべき時に、あるいは悲しむべき時にそのような感情が湧いてこない場合には、心理的抑圧がある可能性があります。
無意識のうちの自分の感情を押し殺していることです。
感情にフタをするのが危険なのは、何かの時にそれが一気に溢れ出す可能性もあるからです。
また、身体や心に悪影響を及ぼす可能性があります。
湧いてきた感情を受け入れることで、これらの悪影響を軽減できます。
以上のように、ネガティブな感情であっても、まずはそれを受け入れることはとても重要です。
感情を受け入れる練習方法
では、そんな感情を受け入れるための練習方法をご紹介しましょう。
マインドフルネス瞑想:
感情を受け入れるための効果的な方法の一つは、マインドフルネス瞑想です。感情を受け入れるために次のような様々な効果があります。
感情への注意喚起:マインドフルネス瞑想をすることで、感情が現れた瞬間に注意を向けるようになります。
これにより、感情が自覚的に認識され、受け入れられるようになります。
あっ、今私は怒っているな。あの言葉が腹が立ったのだな
感情の客観的な観察:瞑想を通じて、感情を客観的に観察できるようになります。
感情が自分自身ではなく、一つの経験であることを理解し、感情に過度に巻き込まれないようになります。
しばらく腹が立つけれど、そのうち忘れてしまうだろう
感情の受け入れ:マインドフルネス瞑想は感情を受け入れる訓練でもあります。
どんな感情であっても、それを良いか悪いか判断しない、練習であるからです。
感情を否定せず、抵抗せず、ただ受け入れることで、感情の重圧が軽減し、和らげられます。
もっと、詳しく瞑想について知りたい場合にはブログ記事こちら
瞑想で打たれ強くなることについてのブログ記事はこちら
↓
打たれ強くなる!マインドフルネス瞑想でレジリエンスを高めるとは
感情日記:
感情を記録するための感情日記をつけることで、感情をより意識的に追跡できます。
この日記を書くことで、感情に対する洞察を深め、受け入れる力を高めることができます。
具体的には以下のような効果があります。
感情の自覚:感情日記を書くことで、感情を自覚する手助けになります。
日常的に感じる感情に注意を向け、それらを言語化することで、感情に対する理解が深まります。
感情の整理:感情日記は感情を整理する手段となります。
感情が頭の中で混乱しやすい場合、それらを書き留めることで、整理された感情を見ることができます。
感情のパターンの発見:感情日記は、感情の発生パターンを発見するのに役立ちます。
自分にとってネガティブ感情が沸き起こる特定の状況やトリガー(引き金)が分かり、それに対処する方法を考える手助けとなります。
解決策を見つける:感情日記は、感情に対処する具体的な解決策を模索するのに役立ちます。
感情の原因やそれによって起こる自分の心への影響がわかり、対処方法を考えやすくなります。
ストレス管理とリラックス
ストレスがネガティブ感情に与える影響
ストレスは私たちの身体と心にさまざまな影響を及ぼします。
ストレスは、不安、怒り、悲しみなどのネガティブな感情を引き起こす要因となり、これらの感情が強化されることがあります。
ストレスがネガティブ感情に与える主な影響は以下の通りです
感情の過剰反応:ストレスの下で、感情が通常よりも強烈になり、制御が難しくなります。小さなことでも大きな感情の爆発を引き起こすことがあります。
例としては普段であれば受け入れられる出来事が、忙しいというストレスがかかっている時には、余計イライラ、そして攻撃の感情が出てきてしまう、などです。
感情の持続:ストレスが長期間にわたると、ネガティブな感情が持続しやすくなります。一度感じた怒りや不安が、日常生活において繰り返し現れることがあります。
例としては、身近な人が亡くなった後はしばらく抑うつ感が続くなどです。
思考の歪み:ストレス下では、ネガティブな思考や予測が増えることがあり、現実を暗く見る傾向が強まります。
例としては、プレゼンを前に緊張状態が続き、ストレスであったとします。その時には「失敗するんじゃないか」「自分なんかダメだ」というネガティブな思考になりがち、などです。
ストレスを管理し、リラックスするためのテクニック
ネガティブ感情の影響を軽減するために、ストレス管理とリラックスのテクニックを実践することが重要です。
深呼吸と瞑想:
深呼吸や瞑想は、ストレスを軽減し、心を落ち着かせるのに効果的です。
ゆっくりと深呼吸をすることで、身体と心の緊張をほぐします。
運動:
適度な運動はストレスホルモンの分泌を抑え、心身のリラックスを促進します。散歩やヨガなど、自分に合った運動がおすすめです。
趣味やリラックス活動:
趣味やリラックス活動に時間を割くことで、ストレスから解放されます。音楽を聴く、読書、アート、自然に触れるなど、心地よい時間を楽しむことが大切です。
健康的な生活 運動、栄養、睡眠の役割
健康的なライフスタイルは、ネガティブ感情を和らげるために非常に重要です。運動、栄養、睡眠をしっかり管理することで、感情の安定性と心身の健康をもたらします。
運動:
適度な運動は、脳内の幸福感を高め、ストレスホルモンの分泌を抑制します。
運動によって、身体的な緊張がほぐれ、気分が明るくなります。
さらに、運動は脳に酸素を供給し、クリアな思考を促進します。
毎日の運動を取り入れる:ウォーキング、ジョギング、ヨガなど、自分に合った運動を毎日少なくとも30分行いましょう。
栄養:
バランスの取れた食事は、感情の安定性に大きな影響を与えます。
栄養豊富な食品を摂取することで、脳の機能が最適化され、ネガティブ感情が軽減されることがあります。
特に、Omega-3脂肪酸やビタミンBなどの栄養素は、気分を安定させるのに役立ちます。
バランスの取れた食事:栄養価の高い食材を摂り、過剰な糖分や加工食品を避けましょう。食事を楽しむことも心の健康にプラスになります。
以下オススメの食品と避けるべき食品をあげておきます。
オススメの食品:
野菜: 色とりどりの野菜は豊富なビタミン、ミネラル、食物繊維を提供し、心の健康に良い影響を与えます。特に緑黄色野菜(ほうれん草、ニンジン、カボチャ)は栄養価が高いです。
果物: 新鮮な果物は天然の糖分を含み、抗酸化物質やビタミンを提供します。イチゴ、ブルーベリー、リンゴなどはオススメです。
魚: 脂肪魚(サーモン、マグロ、鯖)はOmega-3脂肪酸を豊富に含み、心臓の健康をサポートします。
健康的な脂質: オリーブオイル、アボカド、ナッツは健康的な脂質を提供し、脳と心臓の健康に役立ちます。
避けるべき食品:
加工食品: 高糖分、飽和脂肪、塩分が多く、栄養価が低い加工食品(フライドポテト、スナック菓子、甘い飲料など)は避けましょう。
砂糖: 過剰な砂糖摂取は血糖値の急上昇を引き起こし、気分の波をもたらすことがあります。砂糖入りの飲料やスナックを避けた方がよいでしょう。
過剰な塩分: 高塩分の食品(加工肉、スナック、調味料)は血圧を上昇させ、心臓に負担をかけます。塩分摂取を控えましょう。
睡眠:
十分な睡眠は、ストレス耐性を高め、ネガティブ感情を和らげる重要な役割を果たします。
睡眠不足は感情の不安定さやイライラを引き起こすことがあります。
規則的な睡眠習慣を持ち、質の高い睡眠を確保することが大切です。
規則的な睡眠:睡眠の質と量を確保するために、毎晩同じ時間に寝るように努力しましょう。
良い睡眠を取れるように注意すべき点をあげておきます。
規則的な就寝時間: 毎晩同じ時間に寝るように心がけましょう。規則的なスケジュールを作ることで、体内時計が安定し、眠りの質が向上します。
快適な寝室: 寝室はくつろげる場所であるべきです。快適なマットレスと枕を選び、適切な温度と湿度を保つようにしましょう。
デジタルデバイスの制限: 寝る前にスマートフォンやコンピュータの使用を避けましょう。これらのデバイスから放射される青色光は、眠りを妨げることがあります。
リラックスの時間: 寝る前にリラックスする時間を設けましょう。ゆっくりお風呂につかったり、静かな音楽を聴いたり、瞑想や深呼吸を行ったりして、緊張を解きほぐします。
食事と飲み物: 寝る前の大きな食事やカフェイン、アルコールの摂取を避けましょう。これらは睡眠を妨げることがあります。
ストレス管理: 何か心配なことがあったり、不安などのストレスが睡眠に影響を与えることがあります。ストレス管理テクニック(瞑想、ヨガ、深呼吸)を取り入れて、心を落ち着かせましょう。
以上が、日々の生活を健康に保つポイントです。
辛い思いは、さようなら。ネガティブ感情を止まらせる方法 まとめ
・ネガティブ感情とは何か
・ネガティブ感情の種類と特徴
・反芻思考とは
・ネガティブ感情が止まらない、を解決する方法
・感情を受け入れる
・ストレスを管理し、リラックスする
・健康な生活をする(運動・栄養・睡眠)
体の調子は心に一番大きな影響を与えるといってよいでしょう。
体の調子が悪い時には、何もやる気が起きません。
また、寝不足の時には頭がぼーっとしてしまうでしょう。
そのような時にネガティブな感情が湧きやすいのも当然です。
ぜひ、運動·栄養·睡眠は意識して健康を保てるようにしましょう。
専門家にサポートしてもらう
最後に「ネガティブな感情が止まらない」時には専門家のサポートしてもうことも有効です。
心理療法やカウンセリングは、深刻な問題に効果的なアプローチです。
自分でもセルフケアをしつつ、サポートをしてもらうことは、感情の処理と心の健康を改善するために役立つでしょう。
最初は勇気はいるかもしれませんが、早めに良い状態になるためにも一歩を生み出してみるといいでしょう。
ネガティブな感情が止まらない時には、止まらない感情を「止めなければ!」と思えば、思うほど感情は止まらなくなります。
ですから、ネガティブな感情が出てきても、平常心に戻れるような自分自身の心の環境づくりが重要になってくるでしょう。
それが今回取り上げた「感情を受け入れるトレーニング」「リラックスな状態する活動」「健康のマネジメント」です。
実行してみたら「あれ?いつの間にかネガティブな感情が止まっている···」と、心が軽くなったことを実感できるでしょう。
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