あなたの職場の同僚、そしてあなた自身は毎日前向きに仕事をしていますか?
あるいは仕事でちょっとした幸せや、イキイキ感を感じていますか?
「メンタルヘルス=心の健康」とは、そのような「前向きな気持ち」「幸せ」を感じている状態を指します
現状メンタルヘルスに関しては各社で様々な対策がとられていますが、みなさんは実感として本当に「健康」になっているでしょうか。
残念ながら、現実はメンタル疾患のビジネスパーソンは増える一方です。
実際、代表的なメンタル疾患である、うつ病患者数は172,1万人と増加しています。(2020年厚生労働省調べ)
しかも、患者数が多い年齢は、40代、50代続いて30代とまさに働く世代。本人にとっても、企業にとってもこれは大変な痛手です。
これは今すぐにでも解決するべき重大問題であると思います。
今回は、厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」をもとに「メンタルヘルス対策」のための重要な考え方を理解いただき、そして、ストレスを減らすためのケアの具体的な5つの方法、そして、それらを習慣化するための4つのコツもご紹介します。
そして、読み終わった後には職場でのメンタルヘルス対策の基本が理解でき、セルフケアの具体的行動について明確になるでしょう。そして、メンタルヘルスのための第一歩を踏み出すきっかけなればと思います。
もくじ
メンタルヘルス対策とは何か?その種類と方法とは?
では、まずメンタルヘルスとは何か?ということですが次のように定義されています。
すべての個人が自らの可能性を認識し、生命の通常のストレスに対処し、 生産的かつ効果的に働き、コミュニティに貢献することができる健全な状態
世界保健機関(WHO)
メンタルヘルスとは体の健康ではなく、こころの健康状態を意味します。体が軽いとか、力が沸いてくるといった感覚と同じように、心が軽い、穏やかな気持ち、やる気が沸いてくるような気持ちの時は、こころが健康といえるでしょう。
厚生労働省 世界メンタルヘルスデー2022 より
メンタルヘルス対策の種類とケア方法とは
そして、厚生労働省ではメンタルヘルス=心の健康を保つためのメンタルヘルス対策は以下のような種類、そして方法があるとされています。まずは全体像を把握してみてください。
そのメンタルヘルス対策には段階に応じて3つの種類があります。
1 一次予防 メンタルヘルス不調を未然に防止するものです。
2 二次予防 メンタルヘルス不調を早期に発見し適切な措置を行う
3 三次予防 メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰の支援などを行う
〜厚生労働省 労働者の心の健康の保持促進のための指針 より〜
そしてこれらのメンタルヘルス対策には支援方法が4つあります。これをメンタルヘルスケアといいます。
メンタルヘルスケアの4種類
1 セルフケア(労働者自身で行うもの)
2 ラインによるケア(管理監督者が行うもの)
3 事業場内産業保健スタッフなどによるケア(産業医、人事部など)
4 事業場外資源によるケア(メンタルヘルス専門家など)
〜厚生労働省 労働者の心の健康の保持促進のための指針 より〜
ですから、図のようにメンタルヘルス対策、一・二・三次予防は4種類のメンタルヘルスケアによって支えられ、成り立っています。
メンタルヘルス対策の進め方
では実際メンタルヘルス対策をどういう手順で進めるかをご紹介しましょう。
厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、各企業に対してメンタルヘルス対策のための「心の健康づくり計画」を作成を推進しています。
そして、それに盛り込むべき事項は、以下の7つを挙げています。計画を作成する際には以下のことが盛り込まれているかチェックしてみましょう。
心の健康づくり計画に盛り込むべき7つの項目
*厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に加えて本記事制作者によるチェック項目追記してあります。
1事業者がメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨の表明に関すること
→ メンタルヘルスケア対策の目的を明記しているか
2 事業場における心の健康づくりの体制の整備に関すること
→ 衛生管理、メンタルヘルス対策実行組織などが決まっているか
3事業場における問題点の把握及びメンタルヘルスケアの実施に関すること
→ストレスチェックなどによる問題点の把握、それに対する評価などの機会があるか
4メンタルヘルスケアを行うために必要な人材の確保及び事業場外資源の活用に関すること
→衛生管理者、メンタルヘルス対策実行者などが決まっているか
5労働者の健康情報の保護に関すること
→個人の健康情報などが保護されているか
6心の健康づくり計画の実施状況の評価及び計画の見直しに関すること
→定期的に計画を見直す機会が設けられているか
7その他労働者の心の健康づくりに必要な措置に関すること
→健康情報提供の機会や休職・復帰者への対応マニュアル作成などあるか
上記の7項目を鑑みると、計画立案に必要な項目としては以下のような内容が考えられます。
では、以降メンタルヘルス対策の具体的実践法として1次予防(メンタルヘルス不調を未然に防止すること)におけるセルフケアを取り上げたいと思います。
なぜなら、現状各社「まだ、メンタル不調には至っていない、従業員」のゾーンにある社員の方々が多くを占めているからです。
そして、「予防」こそが長期的にみても、企業にとって費用対効果が大きいでしょう。
セルフケアの実践法はみな今日から実践できるものばかりです。
ぜひ、メンタルヘルス対策の第一歩を始めてみてください!
メンタルヘルス対策における未然予防のカギを握るのは?
メンタルヘルスにおいて一番大事なことは「自分の心の状態を感じること」です。
私たちは、案外自分の心、自分の状態がわからないものです。
実際メンタル疾患になった方々は不調の前兆に気づかず「まだ、大丈夫。まだやれる」と頑張ってしまい、倒れてしまうことがあります。
ですから「メンタルヘルス対策」とは、健康の知識を得ることではなく、健康であることを体や心で感じることだと思います。
健康とは、まず体の側面からいうと
・朝起きて、すっきり目覚められる
・寝不足を感じない
・体が思った通りに動く
・朝、便通がある
・顔色が良い
これらのことが実際できることです。
体はできる・できないなのでわかりやすいですね。
一方、心の健康は
・朝起きて、天気が良くて、清々しい気持ちになるということ
・家族など身近な人と会うとホッとすること
・歩いている道の緑を見て癒されること
・人と会話をしてクスっと笑ったりすること
・ランチを食べておいしいと感じること
こんなふうに感じることが心が健康だということになります。
このような事は当たり前のことすぎる、と思うかもしれませんが、心に不安や心配事があると、こういったことですら感じる余裕がありません。
ですから、このような日常のちょっとした幸せや心地よさを感じられることが心の健康なのです。
健康とは「知識」や「情報」よりも、「感じること」が大事。これはメンタルヘルス対策を考えるとき、一番重要なことでしょう。
ストレスを減らすカギは、幸せホルモン
では「メンタルヘルス対策」特にストレスの軽減において重要なポイントを押さえておきましょう。
これらのポイントを理解することで、日常の「メンタルヘルス」がグッと向上します。
先に挙げた「朝起きて、天気が良くて、清々しい気持ちになる」など、ちょっとした幸せを感じる瞬間というのは、脳からセロトニンというホルモンが分泌されています。
ですから、セロトニンは通称「幸せホルモン」と呼ばれたりします。
実はうつ病はこのセロトニンの分泌量が減っています。ですから、患者さんにはセロトニンの分泌量を増やす薬を処方されることが多いのです。
そして、私たちの日常でセロトニンが分泌される例としては以下のような状況です。
・体調がいい、気持ちがいい、清々しい、爽やか
・リラックスできる、癒されている、ホッとする、のんびりできる
・集中力が高い、平常心、研ぎ澄まされる
・(運動して)爽やか、気持ちがいい
・(自然の中で)爽やか、気持ちがいい
・健康である、病気じゃない
〜樺沢紫苑著 最新科学から最高の人生をつくる方法 THE THREE HAPPINESS 精神科医が見つけた 3つの幸福 より〜
つまり、これらの状況を持つことがセロトニン分泌のポイントになります。この中で何よりも大事なことは、気持ちいい、爽やかと「感じること」です。
前段でお話しした「気持ちいいと感じる」ことはなぜ大切かというと、このセロトニンが分泌されるからなのです。
ストレスから離れるためには「健康感度」を上げること
健康への感度を上げる、セルフモニタリング力
では、次に「病気になる人とならない人の違い」からメンタルヘルス対策のポイントを解説します。
ひとことでいうと、「病気になりやすい人」は、心や、体への気づきがなかなかできない人です。体の気づきとは、
「なんだか調子が悪いなぁ」
「寝不足で頭がぼーっとするなぁ」
「気分が乗らないなぁ」
「今日は心が落ち込んでいるな」などと感じ、気づくことです。
メンタル疾患の人は、この感覚が低い人が多い。そして倒れるまで、必死で頑張ってしまうのです。
そして、この自分の心や体の調子の気づきのことを心理学では「セルフモニタリング」といいます。
それは名前の通りセルフ=自分自身、モニタリング=観察する、気づくということです。
ですから、このセルフモニタリング力はメンタル疾患になるか、ならないかの大きな要因となります。
「健康感度」といっても良いでしょう。これは私が作った造語です。
感度なので、頭で考えてはダメです。
通常メンタルヘルス診断というと、質問に答えて、チェックの数を数えて、
「はい、あなたはメンタルが健康です」
「やや、お疲れです」
などと診断されたりしますが、それよりも自分自身の「体や心の健康感度」を上げていくことが、本当のメンタルヘルスに役立つのではないでしょうか。
しょせん、誰かが作った質問などは表層的なものでしかありません。
しかし、あなた自身の心や体への感度というのは、メンタルヘルスの質問紙よりも、何百倍も細かなこと、心の深いところまで理解することができます。
ぜひ、あなた自身の感覚を信じてください。そして、ちょっとした体の不調や心の変化に気づいてください。
すると
「ちょっと体が疲れているから、休もう」
「なんかやる気が出ないな、充電しよう」
「この不安な気持ちは何だろう・・・ああ、〇〇さんにちょっと嫌な対応をされてまたやられないか、不安なんだ」などと自分の状態がわかるようになってきます。
そして、メンタル疾患などの予防ができるのです。
ですから、このセルフモニタリング力を高めていくことが、メンタルヘルスに大いに役に立つのです。
人間関係の悩みもセルフモニタリング力で乗り越える
さらに、このセルフモニタリング力は人間関係の悩みも解決できます!
職場での最大のストレスは、なんといっても「人間関係の悩み」です。
では、そもそもなぜ人は人間関係で悩むのでしょうか。
それは、ほぼ全てにおいてこの原因が当てはまります。
相手に期待する
↓
相手は期待通りに動かない
↓
相手に怒りがわいてきたり、思い通りにならないことに傷ついたりする
というパターンです。
例えば、あなたが同僚を飲み誘ったとしましょう。
今日、飲みに行かない?
あー、今日はダメなんだ・・・
・・・・(ガッカリ)
この場合、あなたは相手に対して「誘ったら、『行く!行く!』と返事が返ってくる」という期待が大きければ大きいほどその期待はずれのそっけない返事に怒り、傷つくわけです。
他のケースも同様です。
・上司が指示通りに動かない部下に怒りを感じる
・好きな人に告白してフラれて傷つく
・母親が勉強しない子供に腹を立てる
なども全部
相手に期待する
↓
相手は期待通りに動かない
↓
相手に怒りがわいてきたり、思い通りにならないことに傷ついたりする
というパターンです。
人はそういった期待が他人に対して、わいてきてしまうのが自然です。
しかし、これがあまりにも怒りや傷つきが大きくなると人間関係の問題となって、ときにはメンタルヘルスにも大きな影響与えます。
ここで、私たちを救ってくれるのが「セルフモニタリング」です。
セルフモニタリングというのは、先に説明したように自分から離れて、自分の心や、体を眺める力です。
これは人間関係においても、相手と自分との関係をちょっと離れたところから見ることです。
例えば、先の同僚の例でいうと
「ダメ」と返ってきて、イラッとした時に
「カミハラさんが快く『行く!』ということを自分は期待していて、そうではなかったから怒りを感じるんだな」だと気づけます。
これが自分をちょっと引いたところから眺めるということであり、セルフモニタリングになります。
こうするだけで、人間関係は感情に振り回されず、冷静に相手と付き合う事ができます。
そして、また、何かで相手に怒りを感じることがあります。
その怒りがわいている自分をまたセルフモニタリングしてちょっと離れたところから見るのです。
「ああ、私怒ってるんだなぁ。それは相手に〇〇であって欲しいと期待したからだなぁ」などと観察するのです。
この状態になれるのは、ただ「怒り」という感情に取り込まれているより、相当冷静な心になってきます。
これを繰り返すと、怒りなどといったネガティブな感情から少し離れ、冷静な平常心に戻っていくことが容易になってきます。
つまり、人間関係がラクになっていくということですね。
このように職場の人間関係でのベストは、「あまり期待せずに適当に付き合えること」だと思います。
「うまく付き合おう」とか
「なんでもかんでも腹を割って話そう」とか
「本音を聞く、とか自分の言ったことを全て理解してもらおう」とか、そこまで求める必要はお互いにないと思います。
そして、職場の人間関係を適当に保つには、ちょっと離れたところから見て、セルフモニタリングすることを知れば、できるでしょう。
以上が、職場のメンタルヘルス対策のポイント2つ1幸せホルモン、セロトニンを分泌する2セルフモニタリング力を高めるです。
では、次に実際にセロトニンを分泌させ、セルフモニタリング力を上げる実践方法を5つご紹介します。
しかも、仕事の時間内でできるような簡単なことをピックアップしてます。
ぜひ取り入れられるものから、トライしてみて下さい。
ストレスを軽減するセルフケア5選
これからご紹介する、実践方法は「セルフケア」といわれ、メンタルヘルスにおける自己管理の方法です。
まさに、自分(セルフ)でできる簡単なケア方法です。
それぞれ
1幸せホルモン、セロトニンを分泌する
2セルフモニタリング力を高める
どちらに効果があるか、また、忙しいビジネスパーソンが仕事の合間でやるのにおすすめの時間帯も書いてあります。
1 瞑想(めいそう)
効果:1幸せホルモン、セロトニンを分泌する
2セルフモニタリング力を高める
オススメ時間:朝起きた時、昼休み、休憩時間、寝る前
多くの実業家やアスリートがメンタルを保つために、あるいはパフォーマンスを上げるために瞑想を行っています。
その効果は絶大なもので、具体的にこんなことが挙げられます。
〜瞑想を始める20の科学的理由 サイコロジー・トゥデイより〜
1 免疫力が上がる
2 痛みをやらげる
3 細胞レベルで炎症を抑える
4 ポジティブな感情が増加する
5 抑うつ的な感情が減少する
6 不安が減少する
7 ストレスが軽減する
8 人を思いやる、繋がろうとする感情の向上
9 人への同情心、共感性が高まる
10 孤独感が減少する
11 感情をコントロールする能力が上がる
12 自分自身の内側を見つめる能力が上がる
13 脳の灰白質(情報を最終的に処理する部分)が増加する
14 感情抑制、ポジティブな感情と、自己統制を司る脳内エリアが増加する
15 注意力を司る大脳皮質の厚さが増加する
16 集中力と注意力が向上する
17 マルチタスク能力が向上する
18 記憶力が向上する
19 創造的かつ枠を超えて考える能力が向上する
20 より賢くなる (IQが上がるという調査結果も!)
やり方としては、「静かな場所で目をつぶって座っていること」です。こんなに単純なことなのですが、脳が休めて、かつ最適化してパフォーマンスを上げるという意味では、本当にオススメです。
セルフモニタリング力は脳の部位でいうと脳の前頭前野(おでこの辺り)の部分が司っています。そして、瞑想によってこの前頭前野が活発になることで、セルフモニタリング力が向上するのです。
私は毎日瞑想を続けていますが、本当に自分の悩みがサーっと頭から去っていくのを実感しています 笑
手順等は、こちらのブログページで詳しくお伝えしていますので、ぜひこの手順に従ってやってみてください。
↓↓↓
ブログ記事:瞑想のやり方とその注意点
2 ウォーキング
効果:幸せホルモン、セロトニンを分泌する
オススメ時間:通勤時間、昼休み
ウォーキングで「イチ・ニ・イチ・ニ」と歩くリズム運動によってセロトニンは分泌されます。
また、朝日を浴びることによっても、セロトニンが分泌されますから、朝の通勤で最寄り駅まで10−15分のウォーキングは最高のセルフケア、健康法です。
運動不足も解決されるので、朝ひと駅だけ歩いてみるというのは、大変お勧めです。
さらに、冒頭に書いたように、ただ駅に向かうのではなく、朝の清々しい空気を感じたり、緑を感じたり、太陽を感じたり、気持ちいいなと思うことで、セロトニンは分泌されます。
ですから毎朝感じながら歩くと、より幸せを感じることができます。
3 ジャーナリング
効果:セルフモニタリング力を高める
オススメ時間:朝起きた時、昼休み、休憩時間、寝る前
ジャーナリングとは?ただひたすら心に浮かぶことをノートに書くことです。
日記ほどまとまりがなくて大丈夫です。
心に浮かぶことを次々に変えていくことで、実は心や頭が整理されていきます。
そして、それを眺めると自分の心が客観視できます。
そしてその内容を良いとか悪いとか判断しないことが重要です。
あるがままにつらつら書く。それがポイントです。
こうすることで、まさに書いてセルフモニタリングできるのです。
毎日3分でも5分でもいいから、気軽に取り組めるジャーナリングをしてみましょう。
4 スリー グッド シングス
効果:幸せホルモン、セロトニンを分泌する
オススメ時間:朝起きた時、昼休み、休憩時間、寝る前
これは毎日、良かったことを3つ書いてみる。それだけです。
よく「良かったことなんかないよ」と言う人がいるのですが、何でも構いません。
例えば
「今日のランチはおいしかったなぁ」とか
「朝の太陽が気持ちよかった」とか
「YouTubeの動画を見て笑えた」とか
とにかくささやかでいいので、ちょっとでも良かったな、と思うことを見つけてみるのです。
これは出勤時の朝の時間や昼休み、小休止の時、5分10分でできます。
一番のオススメは寝る前です。
なぜなら寝る前の記憶が一番頭に残りやすいからです。
寝る前にするといい思いを記憶に留められます。
また、このセルフケアに関してはたった1週間続けただけで「幸福感」のスコアが上がったという結果も出ています。
幸福感を感じると、やはりセロトニンが分泌されますので、これもオススメです!
5 緑を眺める
効果:1幸せホルモン、セロトニンを分泌する
オススメ時間:朝起きた時、昼休み、休憩時間
今自然や森林のセラピーの効果はかなり調査でわかっています。
大きな効果を求めるのでしたら、ぜひ休日に自然に触れ合う時間をたっぷり取るというのがオススメです。
平日もしやれるとすれば、通勤時間や昼休みに会社の近くの公園などの緑を見て、ちょっと空白の時間を作ることです。
実は自然の風景の写真を見た後や屋外で過ごすだけで、思考が明晰になり、不安が減るという結果が出ているくらいです。(THE NATURE FIX 自然が最高の脳を作る フローレンス・ウィリアムズ著 栗木さつき・森嶋マリ訳より)
ほんのスキマ時間にも緑に触れられると良いと思います
特に企画やアイディアを出すことに詰まったときには、ちょっと公園を歩くくらいのことをした方が、リフレッシュでき、アイディアが出やすいでしょう。
セルフケアを習慣化するための4つのコツ
これらのセルフケアは毎日続ける必要があります。
毎日続けることで、心と体が健康な状態が保てるようになり、またメンタル疾患の予防になるのです。
1回試しただけでは、効果はありません。
なかなか忙しくてやる時間がないという人こそやってほしいです。
なぜなら、忙しくてもパフォーマンスを上げるには、まずは心と体の健康がなくては実現しないからです。
少しでもいいので毎日やる努力をしましょう。
ですから、最後にセルフケアを習慣化するコツをご紹介したいと思います
コツ1 実施できたら、チェックする
「今日もできた!」ということを視覚化できると「できた!」という達成感を味わえ、モチベーションも上がります。
ですから、カレンダーやスケジュール帳に○や✔︎を記入しましょう。
これはレコーディングダイエット(毎日体重を記録するダイエット方法)と同じです。
継続には小さな達成感が重要です。ぜひ、毎日チェックをしましょう。
ちょっと楽しむ工夫としては、自分の好きなシールを貼るのもおすすめです。
そして「よくやったね。私!」と褒めてあげてください。
コツ2 ステップを小さく分けること
継続するのに最初からハードルを上げるのは禁物です。例えば、スリー グッド シングス は最初は1つ、2つできるだけでもいいかもしれません。
とにかく1つだけ良かったことを挙げて、書く。おそらくこれであれば、思いつくのに1分、書くのに20秒くらいでしょうか。
そして「できた!」とスケジュール帳にできたシールを貼る。
これだけから始めて、ステップアップしましょう。
たぶん1週間くらいで3つくらい書くのは、難しくなくなってくるはずです。
コツ3 行動のトリガーを決める
「トリガー」とは引き金、あのピストルの引き金です。あの引き金を引けば、弾が打たれるように、何かの行動の引き金になることです。
ですから、上記のセルフケアをする際に
例えばセルフケアとしてのウォーキングをする場合:
トリガー「朝、家の玄関を出る」→「歩いて朝の空気、気温、自然を味わう」
セルフケアとしてのスリーグット シングスをする場合:
トリガー「夜、歯を磨き終わる」(忘れないように、洗面台にノートを置いておくなど)→「今日良かったことを3つ書く」
などを行うことです。
こうして、今やっている習慣をトリガーにして、新しいセルフケアの習慣を積み重ねていくのです。すると忘れずに行動でき、気づくと習慣化できるようになります。
コツ4 自分へのご褒美を設定する
自分へのご褒美、誰でも好きですよね。
これは習慣化にも有効です。例えば、瞑想を毎日やって、1週間続けられたら「温泉に行く」などと決めておき、自分へのご褒美としてリラックスしに温泉に行けば、ますますメンタルヘルスが保てそうです!
このように、何かしら目標回数を決めて、続けられたら自分へのご褒美を用意しておくのも良いでしょう。
以上がメンタルヘルス対策としてのセルフケアの習慣化のポイントです。
まとめ
1 メンタルヘルス対策とは何か? 3種類のメンタルヘルス対策と4種類のメンタルヘルスケア
2 メンタルヘルス対策の進め方 心の健康づくり計画作成
3 ストレスを軽減!メンタルヘルス対策における未然予防の鍵を握るもの
・幸せホルモンセロトニン
・セルフモニタリング
4 ストレスを軽減!セルフケア5選
4-1 瞑想
4-2 ウォーキング
4-3 ジャーナリング
4-4 スリー グッド シングス
4-5 緑を眺める
5 セルフケアを習慣化するコツ4つ
4-1 実施できたら、チェックする
4-2 ステップを小さく分けること
4-3 行動のトリガーを決める
4-4 自分へのご褒美を設定する
ということで、最後になりますが、
人生での仕事時間の割合は、睡眠時間など生活時間を引くと40%ー50%といわれています。
そんな人生の大半を費やす職場という舞台で、ぜひ一人ひとりがストレスを減らし「健やかで、気持ちよく」過ごしてもらいたい、と願っています。
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