書評:メンタリスト DaiGo著 「自分を操り、不安をなくす究極のマインドフルネス」

不安の時代をどう生き抜くか

不安が多い時代になりました。
特に今のように変化の多い時代、先が見えず不安になるのはごく自然なことであると思います。

そして、2020年のコロナ騒ぎでますます不安が増しました。(まぁ、マスメディアの煽り報道のせいでもありますが・・・)

そんな時代にマンドフルネス瞑想は、私たちが前を向いて歩いて行けるようになる大きな支えになるでしょう。
そんなことを感じさせてくれる書籍でした。

著者やYouTubeで有名なDaiGoさんですが、彼は瞑想について本や動画でも発信していますよね。
私の瞑想セミナーにも「DaiGoさんの動画見て、瞑想に興味を持ちました」という方がいらっしゃいます。

彼のおかげで
「瞑想って怪しそう」と感じていた人が、
「瞑想の効果って科学的に基づいたものなんだ」とわかった、瞑想の良さに気づいた、ってことがあったようです。

そして今回は「思い込みをなくし、心をリセットして、不安をなくそう」という内容が本著の主なテーマになっています。

これは多くの人が興味を持っているテーマといえるでしょう。

では、
1 思い込みをなくす
2 心をリセットする
3 不安をなくす
この切り口で本著を紹介していきたいと思います。

実は「思い込み」にとらわれています



1  思い込みをなくす では、物事はとらえ方しだいだ、ということを言っていると思います。
本著の「はじめに」の例で出てきたのですが

子供が走り回ってるのを見て「かわいいな」と思う人もいれば「うるさいな」とイラッとする人もいます。客観的には「子供が走り回っている」という同じ現象なのに、とらえ方によってどのようにも変わってしまうわけです。

わかりやすいたとえですよね。 全て物事はこんなとらえ方しだいだと思います。


不安や心配な事は一見ネガティブですが、自分を成長させるととえている人もいるのです。


例えば元大リーガーのイチローさんは、
「自分がここまで来れたのは、スランプがあったからだ」と言っています。
つまりスランプが自分を成長させ、飛躍させてくれた、と。


このように「とらえ方」はつまり「思い込み」ともいえます。
自分の思い込みで物事は良くも悪くもなるのではないでしょうか。
その思い込みにまずは、気づくことが大切です。
本著では、またこうも書いています。

自分のとらえ方や心の動きがきちんとわかってない人は、何かうまくいかないことがあると、自分に問題があると考えず、周りの人や環境を変えようとします。

でも、実際は、自分の心がそうとらえているのですから、周りが変わったところでうまくいくわけがありません。

そうなのです。
実は世の中には事実というものはなく、事実とは自分のとらえ方が作っているものなのです。

次に、そんな強い思い込みを払拭してくれるのが「心をリセット」することです。
まずは、自分の思い込みに気づいて
「ああ、自分には心配性な思い込みがあるな」
とか
「なんでもネガティブに感じてしまう思い込みがあるな」
と認識することだと思います。
それが第一歩。
そこから具体的な「心のリセット」が始まります。
そのときに役立つことが「瞑想」です。

心のリセット=瞑想

瞑想はこの「心のリセット」に役立ちます。
本著にもありますが、瞑想をすることで衝動的な感情を司る扁桃体(へんとうたい)の活動を抑えることができます。


不安や心配が止まらないのは、実は扁桃体の暴走のせいです。


これが馬がダーーーーーーーーーっと、走り出して、それに乗っている人=心が振り回されてしまうのです。


ときにこれに振り落とされて怪我をしてしまうこともあります。
そんな暴れ馬の手綱のコントロールが瞑想をすることで上手くできるようになるのです。


また、この手綱のコントロールは脳の前頭前野というところでも行われます。
ここは理性と冷静さを司る部分です。
この前頭前野が活発になるのが瞑想です。


ですから、瞑想は暴れ馬を鎮めさせ、手綱のコントロールも上手くなるわけですから、まさに心配や不安をリセットするにはもってこいなのです。

不安をなくす

3 不安をなくす ですが、実はこれ「不安との付き合い方」について本著では解説しています。
本の中で「不安自体は悪いものではない」ということを言っています。

不安というのは、私たちがきちんと準備したり、失敗しないように細かいところまで注意を向けたりするための機能として存在しているのです。

不安があっても、それを「悪くない」と思えるようになると怖くなくなります。

不安はたしかに、不安を感じるから
未来に備えよう、とか、最悪の状況にならないように今努力しよう、という気持ちになるわけです。
ただ、ここでポイントとしては先にも書いたように扁桃体の暴走としての「不安」は害になる、ということですね。
そして、本著ではこんなふうにもいっています。

人間はどのように変わるかをきちんと科学的に勉強したほうが、不安症やうつが3倍も軽減することがわかったのです。

なるほど・・・・。
ここが人として頭の使いようだな、と思います。
きちんと人の心のメカニズムを知って、ネガティブな感情の正体を知り、そしてそれによって心はどう動くのかを理解して、対処方法を知って実践してみる。
こんなことができるのは人間ならではですよね。
そして、人はそんな経験を活かす、ということも考えることで、できるわけです。
そして、不安というやっかいな感情も上手く人生に活かすことができる、これは素晴らしい知識の活かし方だと思います。

このように、本著はまさに「科学的な知識の本当の活かし方」また「マインドフルネス」や「瞑想」で不安や恐怖の乗り越え方をわかりやすく紹介しています。

繰り返しになりますが、私たち人間は他の動物と違って、このように「知識を生きる知恵に変えていける」力を持っているわけですから、ぜひその能力を出来る限り活用していきたいものですね。

究極のマインドフルネス







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ABOUTこの記事をかいた人

日本一わかりやすい瞑想・コミュニケーションセミナー講師。小学生・大学生、社会人、外国人に約5000人以上、のべ1万時間の授業・セミナーを行ってきた。元早稲田大学非常勤講師。ビジネスパーソン向けのメンタルヘルス・ウェルビーイングのための瞑想セミナー、コミュニケーションセミナーを実施中。セミナー・講演・取材お問い合わせはサイトから