起きているのを同じくらい、寝ることは大事
以前にも書きましたが、
なんと!日本の国民の約20%2400万人が不眠とも言われています。
睡眠薬を飲んでいる人は600万人にものぼるそうです。
そして、その経済損失は3兆5千億円!(日本大学(医)精神神経医学教授の内山 真医師)
これは主には不眠の結果、欠勤、遅刻、早退などの生産性の低下などからです。
今回紹介する本が流行っている背景には、そんな「睡眠の重要性」に気づき始めたらからかな、と思います。
例えばこの本で説明されている「睡眠に課せられた『5つのミッション』」
1 脳と体に「休息」を与える ← これはそのままですね。でも、脳への休息、というのが忘れられがち。
2 記憶を整理して定着させる ← これも、勉強をしてその知識を定着させる場合には寝る前にすると寝ている間に定着するからいいってよく言われます。
3 ホルモンバランスを調整する ← これはよく聞くかと思います。成長ホルモンですね。10時ー午前2時の寝ている間にでるって言います。
4 免疫力を上げて病気を遠ざける ← 免疫力ってホルモンと密接に関係しているそうです。だから、ホルモンのバランスを整えないと免疫力も低下してしまう。
5 脳の老廃物を取る ← これは面白かったです。脳は脳せき髄液という液体の中に入っていて、毎日4回入れ替わっているんだそうです。もちろん日中にも入れ替わっているけれど、それだけでは追いつかず、寝ている時にまとまったメンテナンスが脳からしても必要。
こんなふうに睡眠の意義って1 の休息とか、せいぜい3の成長ホルモンの話は聞いたことがありました。
でも、これだけの重要性があることを知ると「睡眠は起きている時と同じくらい大事」って納得ですね。
睡眠負債はなかなか返せない
そして、恐ろしいのが先にも出したように不眠で悩んでいる人ってたくさんいるんですが、その不眠は「睡眠負債」としてどんどん負債が溜まってしまうってこと。
また、不眠が溜まっているのを1回ぐっすり寝たら戻るのではなくて、それまでの負債分を返済しないと戻らないということです。
そして、その睡眠負債はただ単に時間だけかければいいとわけではありません。
なぜなら、例えば理想の睡眠時間が8時間として(ちゃんと睡眠の実験を繰り返して、測った結果でた理想時間)もし毎日七時間半しか寝ていない。
つまり毎日30分の睡眠負債が溜まったとしたら、1週間で30分×7日=3時間半。
でも、それを取り戻すのにその分の時間寝るのではなく、ちゃんと自然に理想の8時間睡眠に戻るように体を戻していくのになんと3週間とかもかかってしまうんだそうだ。
確かに人の体なので、杓子定規に時間だけあればいいってもんではありません。
週末寝だめをしただけでは睡眠負債は返すことができない理由はここにあるんですね。
良い睡眠の知識は間違っていることも多い
また、この本で何度かでてくるのは「睡眠について正しい知識を知ること」
やはり結構ちまたで言われている「何時間寝るといい」とか「眠りのサイクルは1.5時間なのでその倍数がいい」とかはあまり根拠がないらしい。
なんでもそうですけど、正しく行うのは重要ですね。
そういう意味では本著は最先端の睡眠学の正しい知識が、学術論文の裏付けがあり信じられるのではないかと思います。
そして、なかなか理想の睡眠時間が取れない現代人ですが、そんな状況で質的に大事なのは入眠の90分をスムーズにできることだそうです。
まずはここを質の良いものにすれば、睡眠全体も質が良くなると。そのために体温を上げるとか、具体的に書いてあります。
ちなみに私がやっている瞑想も良い睡眠にはオススメですよ。
また、意外だったのが実験をすると「よく眠れる、寝つきがよい」と感じている人と「あまり眠れない、寝つき悪い」と感じている人の寝るまでの時間差は、なんと2分!!それだけなのだそうです。
まぁ、これっていかに人は結構思い込みで「寝つき良い、悪い」を判断しているかってことですよね。
また、誰にでも、私にだって、なかなか眠れないというときはあります。
そのことでイライラすると余計眠れなくなるので、そんなときはちょっと起きてしまって本を読むとか音楽聞いてみるとかを私はオススメします。
人にとって欠かせない睡眠の正しい、最新の知識を得るのには良書だと思いました。
と、同時にあとがきで著者も言っていますが
「睡眠を犠牲にして働くのはやめよう」
これ本当に共感します。
やはり、人としてのあり方とか生活を第一に考え、そこから逆算して仕事の時間を確保していくことがとても大事になんじゃないでしょうか。
睡眠のことを考えることって実は私たちの生活、生き方を考えることにも通じます。
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